2015/11/09 16:24
少し間が空いてしまいましたが、久々に。
今日は菜種、菜の花について、書いてみます。
長崎鼻の段々畑では、ほぼ全て菜の花の種まきが済みました。
台風被害を受けて夏の終わりに蒔かれたひまわりの畑と、
今年になって新規開墾したところを残すばかりです。
夏の終わりに蒔かれたひまわりは、そろそろつぼみが膨らみ始め、花を咲かせようとしています。
寒さの中にもけなげに花を咲かせるひまわりが、もうすぐ見られそうですよ。
そして、菜の花も小さな新芽を土の上に開き始めました。
さて、皆さんの台所にはキャノーラ油はございますか。
キャノーラは、菜種の品種で、第二次大戦後にカナダで開発されたもの。
エルシン酸を含まない品種で、現行品種は遺伝子組み換えにより除草剤耐性があるものがほとんど。
エルシン酸は過剰摂取により心臓障害を引き起こすと見なされ、キャノーラ品種が開発された訳ですが、
近年の研究には、エルシン酸の心臓障害への関わりを否定するものもあるようです。
それどころか、エルシン酸とオレイン酸を混ぜ合わせたオイルは栄養療法として注目されました。
『ロレンツォのオイル』という映画になっているようです。
ただ、一般的にはいまもエルシン酸を含まない品種が良いという説が支持されており、
長崎鼻で栽培している品種も、無エルシン酸の国産「ナナシキブ」という品種です。
一般的なキャノーラ油との違いといえば、
①遺伝子組み換え品種の混入の心配がないこと
②搾油時に化学物質を一切添加していないこと
③菜種が持つ独特の風合いが生きていること
が上げられるでしょう。
①と③については、栽培品種を「ナナシキブ」のみに限定しており、搾油施設も自前のものですから、
一品種の種に限定して、搾り立ての新鮮な油を提供しております。
油は酸化しやすい生鮮食品ですので、少量を適宜購入して、少しずつ利用するのがよいようです。
②については、一般的なキャノーラ油においては、生産効率を重視されるために、水素添加等、
化学物質を利用した搾油が行われています。
この製法の主な問題点はトランス脂肪酸が作られることと、油の酸化です。
こちらでは、搾油にあたって、低温焙煎圧搾という、昔ながらの製法に極めて近い油を作っています。
菜種独特の豊かな風合いを感じて頂ける事と思います。化学薬品等に頼らず、
種を絞ることで得られる油は、量はそれほど多くないものの、野性味のある、クセになる香りが特徴です。
天ぷらなどに利用するときは、ごま油と1:1の割合で混ぜ合わせるとカラっと仕上がります。
菜種油については、脂肪酸の比率が良いということが言われています。
また、温度が上がりやすく少量で済むという実感があります。
「快活さ」、「明るさ」、「元気いっぱい」といった花言葉を持つ菜の花。
段々畑を黄色い絨毯のように敷き染める、早春の時期が待ち遠しい限りです。